注意障害のリハ
注意障害はこんな症状
・アイコンタクトがとれない、もしくはごく短い
・会話や課題ですぐ注意がそれる
・思考や行動に一貫性を欠く
・頭の切り替えがうまくできない
・まわりの状況に気がつかない、話をきいていない
・二つのことを一度にできない、など
注意障害のリハビリテーション
注意機能は全ての高次脳機能の基礎として存在しています。そのため他の機能に優先して改善させることが必要です。
注意力の低下がある、ということは自らに対しても不注意ということになります。そのため自分自身が注力に乏しいことに気づいていないことが往々にしてあります。自らの注意力低下の自覚不足は注意障害の改善を遅らせます。注意障害を改善させるためにはご本人の自覚が不可欠であり、自覚を促す働きかけをリハビリと並行して行う必要があります。
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注意障害のリハ@ | Attention Process Training:APT
Sohlbergが1986年に公表した注意障害改善のためのプログラムです。注意障害のリハビリテーション方法として優れています。APTでは注意を4つに分け、それぞれに適したプログラムの実施が望ましいとされています。
注意障害の種類とそれぞれのプログラム
@ 持続性注意(注意を一つのものに向け続けることができるか)
課題は以下のものが適しています。
・数字抹消:並んだ数字の指定のものを消していく
・数字系列(serial numbers) :
100から1ずつ引いていく課題
徐々にマイナス2、マイナス3と難しくする。
A 選択性注意(妨害に負けずに注意を向け続けることができるか)
課題は以下のものが適しています。
・雑音下での数字抹消・図形抹消
・視覚妨害での数字抹消・図形抹消
持続性注意の課題を雑音下や斜線付きの用紙で行う。
・ストループ課題
漢字ー色(「赤」「黄」「緑」で色名を答える)
漢字・ひらがな・カタカナ音読(「平仮名・「かんじ」で文字種を答える)
高中低音読(「高」「低」の文字位置を答える)
B 転換性注意(必要に応じて注意を切り替えることができるか)
課題は以下のものが適しています。
・持続性注意の課題を15秒ごとに切り替えて実施
数字・偶数/奇数・図形・切替抹消
加算/減算切替計算
高中低切替音読
漢字・ひらがな切替音読
平仮名・カタカナ切替かなひろい
数字の順唱・逆唱、曜日の逆唱、単語の逆さ書き
C 注意配分(2つの対象に同時に注意を向けることができるか)
聴覚性のものと視覚性のものを同時に行う /p>
APTの原則
@ 正答率50%程度の難易度課題を選択
A 訓練開始
B 1週間4〜5セッション、4〜10週間施行
C 難易度を細かく分け負荷をコントロール
D 正当率が3回連続85%以上、
あるいは時間が当初の35%以下でレベルアップ
E 誤りなしとスペードアップの双方を目指す
軽度例用APTU、APTV(1992) もあります。
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注意障害のリハ | その他の注意トレーニング
ドリル/プリントの利用
間違い探し、迷路、ジグソーパズル、クロスワードパズルなど
川島隆太監修「もっと脳が活性化する100日間パズル 」学研、2012 ¥680など
audio-motor method
動くベル音やライト光の追視や特定音の同定をする。
各認知・記憶・構成・言語・判断課題
音読、復唱、計算、音読後QA、模写、点むすびなど
ADL反復訓練(学習転移治療法)
更衣・整容など日常生活動作の反復を通して改善を図る
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注意障害のリハ | 接し方の注意
身の回り品の整理整頓、声かけによる行動の促し、集中環境の準備