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  • 高次脳リハビリとは


      脳には注意・記憶・言語・空間把握・身体認識・状況判断・計画遂行などの機能があり、これらを高次脳機能、もしくは単に認知機能と言います。

     高次脳機能障害のリハビリテーション、いわゆる認知リハビリテーション(cognitive rehabilitation)とは、注意・記憶・言語・状況判断などの、認知機能の障害を対象としたリハビリテーションの総称です。運動障害やADL低下のリハビリテーションと区別する目的で使われる用語です。

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    高次脳リハの改善の考え方

     

      高次脳リハを行うことにより困難や問題行動の解決・解消を図ります。 これには目的や手段によって以下の三つの考え方があります。

     

    1)神経ネットワークの再生による回復

     損傷された脳細胞と神経ネットワークは以下の三つの要素の組み合わせによりある程度回復を図ることができます。 第一は高次脳リハにより脳を刺激し、中枢神経の軸索・樹状突起の再生を促します。それにより神経ネットワークが再構成されれば回復に繋がります。 第二は機能的代償です。脳はある程度可塑性がありますので、高次脳リハにより脳を刺激し脳細胞の代替機能の発現を促します。 第三は機能再編成です。高次脳リハにより脳の神経ネットワークのバイパス構築を促すことにより回復に繋げます。

     

    2)能力的改善

     道具を使ったり残存能力を活用することで困難や問題行動の解決・解消を図る方法もあります。 記憶が難しい場合にはメモを活用したり、携帯アラームを利用する、道順がわからない場合には携帯ナビを利用する、簡単な計算でも難しい場合には電卓を利用する、などです。

     

     3)環境の調整

     上と似ていますが、身の回りを問題が起こりにくいよう整備することで困難や問題行動の解決・解消を図る方法もあります。 不注意が目立つ場合にはあらかじめ危険物を除去したり、気が散らないような静かな環境にする、記憶が難しい場合には部屋に目印をつけておいたり、目立つところにメモや行動予定を貼っておく、などです。

     

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    発症からの時期と高次脳リハ

     

     高次脳リハで行う内容や目的は、脳梗塞などの発症により認知機能に問題が生じてからの時期によって内容は変遷していきます。 一般的に、発症〜2ヶ月程度は脳梗塞など原疾患の影響で脳全般の機能が低下しています。そのため脳を全般的に刺激するような高次脳リハを行います。 発症2ヶ月〜6ヶ月程度の頃は回復期といわれ、落ち着いてリハビリに取り組むことでもっとも改善が進む時期です。この時期に集中的にそれぞれの高次脳リハを行うのが適しています。6ヶ月程度以降は実際の日常生活で必要な行動をスムーズにできるように、具体的に日常生活上の問題を設定し、代用手段を含めそれを解決できるよう応用的なリハビリを行います。

     

     初期:全般的刺激期(発症〜2ヶ月程度)

     中期:認知訓練期(2ヶ月〜6ヶ月程度)

     後期:日常生活での応用訓練期(6ヶ月程度〜)

     

     高次脳リハで行う課題は難しすぎて全くできなくては効果はありません。一方簡単すぎても効率良い改善には結びつきません。難しすぎないか、簡単すぎないか、このバランスが重要です。

     

     

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